本ゼミのテーマは「サステイナビリティ教育の実行」です。自然・人間・社会のウェルビーイングを支える様々な教育・学習について地球市民として調べ、生涯にわたり実践していく方法を模索します。
本ゼミでは、各ゼミ生が自身と他者(社会・自然)のサステイナビリティを考え、自分の関心事をMy Questionとして言語化します。同時に、公共性の高い社会課題について調べます。そうした自分の問いと社会の課題が重複するところを、卒業研究のリサーチクエスチョンに設定します。そして、人間は常に学ぶことによって変わることから、社会課題に対して教育がいかに機能しているかを比較・国際教育学をベースにして追いかけます。その過程で、ゼミ生は課題の設定と研究方法を学習し、自らの生涯学習に備えます。2年間のゼミ活動では、3年生と4年生がペアになり互いにサポートする「バディ制度」のもと、学内外で開かれる合同ゼミや各自の研究発表を行うゼミ合宿に参加します。これらの活動を通して、経験学習・社会的学習・変容的学習を行うのです。(https://bit.ly/maruzemi )

立場が違えば見方も違うため、複雑な現実課題に対して絶対に正しい解答があるとは限りません。システム思考では、特定の個人の問題や責任を追求するのではなく、相互依存する要素間の循環的な関係性に着目し、課題が生じるシステムを扱います。誰もが同じ立場や状況にあれば、同じ問題を生じさせたり、問題に気づかないかもしれないためです。また、課題の捉え方は人によって異なることから、同じ課題をゼミ生同士で捉え直します。他方、ゼミ活動の評価には、ゼミ生自身が主導する参加型評価が用いられています。学期の始めに自ら設定した目標の妥当性や達成度合いを学期の終わり頃に評価し、その過程を通して概念を測定できる操作的な尺度を設定できるようになります。

サステイナビリティは自然・人間・社会のウェルビーイングを支える力です。そうした力は実践を通して獲得できることが多いため、ゼミ生には可能な限りフィールドワークを行うように伝えています。例えば、日本の教育と海外では何が違うか、現地で教えてもらうことをどう記録し、自分で何に気づくか、実際の行動を通して学修します。全学共通科目ですが、ゼミ教員が上智生を引率するエストニア等へのスタディツアーも、その一つです。豊かな自然の中で自分自身の存在を再確認し、小さい国に住む人たちから声なき声に耳を傾けたり想像し、他者とともに自分らしくいられるように工夫を積み重ねる。現地で調査に協力していただき、同世代の若者と意見交換を通して、サステイナビリティを追求します。帰国後または卒業後もその追求をマイペースで続けてもらえたら、ベストだと思います。

1. 丸山英樹・太田美幸
2013『ノンフォーマル教育の可能性』新評論
教育を幅広く捉える視点と実例が豊富。2023年には大幅に内容を更新した第2版が出版予定。
2. Mulligan, Martin. 2017. “An Introduction to Sustainability:Environmental, Social and Personal Perspectives” Routledge
ローカルとグローバルな環境、経済・文化・政治を含む社会、人間の内面と主体性を扱う個人、それら3つが重複するサステイナビリティを示す。