私の知り合いがベトナム人技能実習生をサポートする仕事に従事していることもあり、中学生の頃からベトナム人技能実習生の方々と一緒にご飯を食べたり、ベトナムの文化を教えてもらったりする機会がありました。そのため、技能実習生の方々は私にとって非常に身近な存在でした。このような環境から、技能実習制度やベトナムの文化に対して自然と興味関心を持つようになりました。
しかし、大学での講義や日々触れるニュースの中で、技能実習制度に対する否定的な意見を耳にする機会も増え、その中で、なぜ技能実習制度が問題として取り上げられるのか、それにも関わらず多くのベトナム人が日本を目指すのかという疑問を抱くようになりました。こうした疑問から、実際の現場ではどのような仕事が行われているのか、また来日前の技能実習生の方々がどのような思いや背景を持って日本を目指しているのかを知りたいと思うようになりました。
知り合いを通じ、関わりのあった送り出し機関に事情を説明したところ受け入れていただき、ベトナムにある技能実習生の送り出し機関でインターンシップに参加しました。そこで来日前の技能実習生の方々と直接交流し、日本を目指す背景にある思いや動機を自分の目で確かめる機会を得ました。
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インターンシップでは、主に受け入れ先の企業との面接や説明会の記録表の作成や日本語の授業見学を行いました。最終日には来日前の実習候補の方々に向けて、日本の生活や文化について紹介する2時間の日本語授業も担当させていただきました。言葉の壁もあり意思疎通が難しい場面もありましたが、熱心に話を聞いてくださり、私にとって非常に貴重な経験となりました。
また、インターンシップの合間を縫って実習候補の方々にインタビューをする機会もありました。渡日前の実習候補生たちと交流を重ねるなかで、 家族の支えになりたい、日本への憧れ、キャリアアップの可能性を熱心に語っている姿が印象に残りました。その経験が、ベトナム人技能実習生のライフストーリーを卒業論文のテーマとするきっかけとなりました。
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インターンシップに参加する前は、技能実習をはじめとする外国人労働者の問題は、日本ではメディアなどでネガティブな言説として取り上げられることが多いと感じていました。しかし、来日前の実習候補生の方々と交流するなかで、来日前の実習生が語る日本への夢や希望、将来のキャリアに対する思いを初めて知ることができました。
この経験をきっかけに、帰国後は、元技能実習生として日本で働くベトナム人女性へのインタビュー調査を行い、卒業論文では「現代ベトナム人女性のジェンダー役割とキャリア選択 ~キャリアアップを目的として技能実習制度を選択する女性たちの社会背景~」をテーマに、個人の語りと社会的・歴史的要因の両面から技能実習生の社会的背景を明らかにしました。
現地を訪れて強く感じたのは、ゼミの指導教員である久志本裕子*准教授が日頃から話されている「当たり前という枠を壊す」ということの重要性です。実際に現地を訪れる中で、自分が当たり前だと思っていたことを疑い、考え、それを学問として言語化することを繰り返すうちに、これまで見ていた世界が少しずつ変わっていきました。情報が錯綜する現代社会の中で、総合グローバル学部での学びを通して、1つの答えに飛びつくのではなく、複数の視点を行き来しながら考え続けることの大切さを学びました。
*2025年度職位
異なる文化や言語の中で生活することは決して簡単ではないかもしれませんが、一歩踏み出す勇気を持ったことで、その後の自分の行動や視野を大きく広げてくれました。
総合グローバル学部には、情熱的でバイタリティーあふれる仲間や先生が多くそのような環境の中で刺激を受けながら過ごすことで、新しいことに挑戦することへのハードルが思っているよりも低いものだと感じるようになりました。
異文化に触れる中で、自分が当たり前 だと思っていた社会の見方を疑い、視野の狭さに気づけたことは、人間的な成長につながったと実感しています。ぜひみなさんも一歩踏み出してみてください!応援しています!!