条約や国連の決議など人権に関する国際規範の中で関心のあるものを選び、それが作られた背景を学びます。さらに、その規範を身近な課題と関連づけて、ソーシャル・アクションの実践を試みます。
「世界/社会を変えたい」なら、その一員である「自分が変わる」ことから始めてみてはどうでしょうか?他人事だと思っていたことが自分と関わっていること、個人的なことが地球規模課題とつながっていること、日々の暮らしは政治や社会運動によって変わり得ることを体感するゼミです。性別、性自認、性的志向、年齢、障害の有無、民族、国籍や母語の違い、婚姻や家族構成、就労状況による立場の違いに起因する差別や格差に気づき、その克服を「ソーシャル・アクション」の実践を通じて学びます。1)自分自身の学びや行動変容による個人のアクション、2)仲間と学び、類似の活動を支援するコミュニティ・アクション、3)NGOなどの活動に参加し当事者と直に接する現場でのアクション、4)仕組みを変えていくための政策提言など社会に対するアクションの4段階を、チームのプロジェクトとして実施します。これらを成功させるためには、入念なデータ収集やフィールドワークが必要です。

ゼミでは、国内外の市民運動、特に当事者を中心とした運動について学ぶだけでなく、キャンパスでもソーシャル・アクションを実践します。2019年度には、ゼミ生らが中心となって行った「Raise Our Voices for Empowerment! 声をあげよう!私たちのエンパワメント」というアートを用いたイベントを実施しました。学生たちが直面している力の剥奪やハラスメントの経験をカードに書いてもらう参加型イベントと、その過程で大切だと思われたキーワードを用いたマーチを行いました。上智大学グローバル・コンサーン研究所のホームページから、報告書と動画を見ることができます。
報告書PDFはこちら
動画はこちら

2020年秋は「SOGI難民」、「入管収容問題」、「技能実習制度」、2021年春は「入管被収容者の生理用品へのアクセス」をテーマに、学内外の団体と協働しながら解決に向けた問題提起や政策提言を行いました。グループ学習でのテーマをもとに、教材作成を卒業研究とした学生もいます。当事者や実務者から直接学び、学外の関係者ともつながっていくことは、みなさんの将来の人生の選択肢を増やすことでしょう。

1. 宮内泰介・上田昌文
『実践 自分で調べる技術』岩波新書、2020年
ソーシャル・アクションは、差別や格差がもたらす社会の課題を可視化させることから始まります。インターネットでキーワードを入れて検索して出てきた既存の資料を見るだけではなく、自分で適切な資料をみつけて分析する技術を身につけましょう。
2. キャロライン・クリアド=ペレス
『存在しない女たち 男性優位の世界にひそむ見せかけのファクトを暴く』河出書房新社、2019年。
データを性別に分析するだけで、世界が違って見えることを実証した本です。この本を手がかりに、身近な問題を、まずは、性別というレンズを通して見直してみましょう。「自分は性差別を受けたことはない」、あるいは「性差別などしたことはない」と思っている人、どちらにもおすすめです。