私にとっての大学生活とは、好奇心に任せ、様々な学び・体験ができた貴重な期間であったと振り返ります。思えば私は、高校まで一貫して地元の公立学校で育ってきました。似たバックグラウンドの仲間に囲まれ、中学、高校と部活動の傍ら受験を最終ゴールとして生活したその環境は、いわば既定路線に沿った生活であったと思います。高校では相変わらず受験を目標とした勉強ではあったものの、世界史の授業、そして海外サッカーへの興味も少なからず影響し、大学では日本のみならず世界の情勢・文化を学びたいと漠然と考え、とりわけ FGS への入学を志すようになりました。
晴れて FGS に入学すると、まず周りは留学経験のある同級生、帰国子女、留学生等が多く、自分と異なるバックグラウンドの仲間に囲まれた、全く新しい生活が始まりました。高校では自分と正反対のタイプの人たちと付き合いが無かったため、当初は似た者同士で集まり会話をしていました。ただ、共通の趣味などがきっかけで様々なタイプの仲間が増えると、多様な価値観を持つ仲間から日々新たな発見ができ、とても刺激的でした。
FGS の授業においては、国際情勢を考察する際に軸となる視座を得ることができたと思っています。
この視座を養うにあたり、物事を考察する際に様々な意見を吟味することが、自らの視点を生むため最も重要な過程であるのだと痛感しました。様々な視点から物事を思考する癖がついてきた頃、更に多様な視点を得たいと思い、三年次には台湾へ交換留学にも行きました。世界中の学生が集まる中で国際政治を学んだ経験は、世界への更なる興味とより広い視野を持つことに繋がったと思います。現地で出会った学生の中には今でも連絡を取り合う友人もおり、お互いの国を訪れた際には再会も果たしています。
学生生活を振り返ると、私は決して何か一つの事を成し遂げたい、極めたいと考え過ごしたわけではありませんでした。ただ、高校までと違って幅広く社会を学ぶ機会を与えてくれる大学という場を活用し、やりたいことは多くやり遂げたといえます。FGS で幅広い興味に任せ様々な授業を受講し、国内外問わず多くの地域に旅行で足を運び、飽き足らず交換留学も経験させてもらいました。その時々で自分がやりたい、学びたいと感じたことに対し、素直に実行することができた学生生活であっただろうし、そこから得られたものは大きかったと実感しています。
国際経済学、比較政治学の授業にて日本の高度成長について学んだ際、日本の経済成長に大きく寄与した製造業の存在について再確認しました。加えて、真摯に良いモノを作って売るという製造業の業態に自分の性格が合うのではと考えたため、就職活動では製造業を主に検討しました。最終的には、農業機械メーカーを就職先として選びました。決め手は、日本のみならず海外でも幅広くシェアを持っているため、機械の販売を通じて世界の食を支えることができる、やりがいが大きな会社であると思えたからです。また、内定先がグローバルに展開していることを知ったのは、実は留学中に旅行で訪れたタイの街中で見た看板でした。
FGS の授業は、世界中のあらゆる事象についてミクロ・マクロな視点をもって複眼的に学ぶことができます。それ故に私は、ゼミで卒論テーマを決定するまで、興味が広くなるあまり何度かテーマ変更をしています。興味が広いことは、決して中途半端な勉強の姿勢という訳ではないと思っています。むしろ様々な事象に対する基礎知識や視座を少しでも養うことで、社会に出てからあらゆる物事を考える際、思考のベースとして活きてくるのではと思います。
FGS を目指す皆さんの中には、何か特定の分野を学びたいと志している人も多くいると思います。FGSには各分野の専門教授が多く在籍されているので、授業後に質問をしに行く、ゼミに参加するなどして各分野を深く学ぶことができます。ただ、FGS には幅広い学びの場が用意されているので、是非自分の一番の関心以外にも広く目を向け、できるだけ様々な分野の知を得ることをお勧めします。